お歳暮の「のし」について
のし(熨斗)とは?
実は、宛名を書いたりする紙のことではなく、のし紙に付ける小さな飾りのことを指しているのです。
さらに、厳密に「のし」の部分は飾りの中の黄色い紙の部分なんです!
(←左図参照)
どうしてのしが黄色いのかというと、なんとアワビをイメージしているから。
アワビの干物を熨す(のす)と「熨斗アワビ(のしあわび)」が出来ることからのし(熨斗)という名がついたそうです。
アワビは神の食材だった!
魚介類や肉などの生ものは神様へ奉納されるにふさわしい食材と考えられていたのです。
しかし現実問題、お供えがすぐに傷んでしまうことは好ましくないため、鮑を乾燥させ干しアワビで代用するようになりました。
さらに時代が進み江戸時代になると、
干しアワビ(熨斗アワビ)は長寿の秘薬として崇められるようになり
めでたさの象徴として贈り物に添えられる事が多くなっていきます。
近年ではお歳暮にのし飾りを付けることも少なくなり、
簡略化された「文字のし」が印刷された「のし紙」を用いることが増えました。
【生もののお歳暮にのしはNG】
肉や魚などの生ものをお歳暮に贈る際には、のしは必要ありません。
前述のとおり、
のし自体が貴重でめでたい「生もの」を象徴する存在であるためかぶってしまうからです。
この場合はのしを付けずに水引のみが印刷された掛け紙(のし紙とは言いません)を用いましょう。